不感症 frigiditas sexualis, sensing element. 2003 5 1
不感症といっても、何も男女関係のことではない。
そのようなことは医者に相談すればいいが、もっと深刻な不感症がある。
これは、未来に対する不感症というものだ。
今まで先人達は、歴史から法則性を学び、その法則でもって未来を予測してきた。
最近は、歴史教育を疎かにしてきたこともあり、この知的作業ができなくなったらしい。
どうもアメリカ軍は早く、イラクから撤退をしたいらしい。
兵士の間にも、早く故郷へ帰りたいと言い出す者まででてきたらしい。
これから、イラクの気候は、きびしくなるので、そういう気持ちになるかもしれない。
しかし、今、アメリカ軍がイラクから撤退すると、とんでもないことになる。
イスラム教は、キリスト教が経験した政教分離という宗教改革が、まだない。
これで、フセインという重しがとれ、さらにアメリカ軍という重しがとれると、どうなるか。
宗教が強くて、政治制度が未完成、国民に民主主義の知識がない。
これは、かつてヨーロッパであった神権政治という形となる。
イギリスにおいては、クロムウェルという大政治家によって、成功したが、
他の国での神権政治はどうなったか。
神権政治を強力に守るため、神権政治政府は、どう行動したか。
あまり、フセインと変わりなくなるような気がする。
そんなにアメリカ軍がイラクから早く撤退したいなら、せめて以下のことをやってほしい。
イラク国民に、「政教分離」と「祭政一致」の長所と短所を教えてほしい。
これは、大統領制と首相制の長所と短所を教えることにもなる。
イラクに早急に株式市場を整備し、設置を図ること。
人間は、政治はどうあれ、お金には興味が尽きない。
イラク人は資本主義というものをよくわかっていないから、まず、資産運用の仕方を教える。
最初に、株式市場を作って、イラク国民に株式投資をやらせれば、
政府に対する不満も部族間の対立も少しは、和らぐ。
イラク国民に、野球やバスケットボール、ラグビー、ボクシングなどのスポーツを教える。
最初は、イラク人は異国のスポーツだと言って、参加してこないので、
試合の勝者に賞金を出せば、イラク人は参加してくる。
スポーツの試合で、各部族間で対戦させれば、
政府に対する不満も部族間の対立も少しは、和らぐ。
イラク人に欧米の音楽や映画を紹介する。またゲーム機を無償で配布する。
イラク人には、欧米文化に対する興味がある。また、イラク人の子供は、ゲームがやりたい。
こういう娯楽も用意すれば、政府に対する不満も部族間の対立も少しは、和らぐ。
イラク人にパソコン教育をする。
これも、イラク人とて、インターネットの重要性には気がついている。
最後に学校を整備し、イラク国民の間に教育熱や受験ブームというものを作る。
国民のエネルギーが教育に向けば、政府に対する不満も和らぐ。
ただし、注意が必要なのは、イラク人の、イスラム教に対する信仰心を大切に守ること。
この信仰心を刺激してしまうと、「世俗化することは、いけないことだ。原点に帰れ」という運動がでてくる。
だから、アメリカ人から見れば素朴に見える、イラク人の、イスラム教に対する信仰心を
大切に守り、尊重する必要がある。